失敗できない新規事業担当者へ。社内承認を突破し、事業化を確実にするMVP開発の勘所

失敗できない新規事業担当者へ。社内承認を突破し、事業化を確実にするMVP開発の勘所

1. 導入:「良い企画なのに、なぜか進まない」地獄

新規事業の立ち上げを命じられた担当者の多くが、同じ場所で立ち往生しています。

市場調査は完璧。ユーザーインタビューも実施済み。事業計画書も何度も書き直した。それなのに、プロジェクトが一向に前に進まない——。

その背景にあるのは、教科書通りの「市場検証」だけでは乗り越えられない、大企業ならではの「3つの見えない壁」です。

壁① ブランドの呪縛
「企業の看板がある以上、中途半端なものは出せない」という完璧主義が、検証のスタートすら切らせてくれません。結果、いつまでも社内で議論を繰り返し、市場の声を聞く機会すら逃してしまう。

壁② 規模への固執
「将来的に年商10億円規模が見込めないと、やる意味がない」という社内の評価軸。しかし、初期から大きな市場を狙うほど、的を外すリスクは高まります。良いスモールビジネスの芽があっても、「規模が小さい」という理由だけで潰されてしまう。

壁③ 自社技術への過信
「うちの強みを活かせ」と言われ続けた結果、ユーザーが求めていない領域に無理やり自社技術をねじ込んでしまう本末転倒。技術ありきで考えるあまり、肝心の顧客課題が見えなくなる。

これらの壁を突破し、プロジェクトを「机上の空論」で終わらせないための唯一の武器が、戦略的なMVP(Minimum Viable Product)開発です。

本記事では、社内の論理と市場の現実を両立させ、確実に事業を前進させるための「開発の勘所」を解説します。

2. MVPは「安く作る手段」ではなく「社内を説得するエビデンス獲得の投資」

社内承認を得る際に最も重要なのは、MVPを「製品の劣化版」として説明しないことです。

上層部が本当に知りたいのは、「この事業に投資して大丈夫なのか?」という一点。MVPの真の目的は、「最小のコストで、致命的な失敗を避けるためのエビデンス(証拠)を掴むこと」にあります。

「市場で実際に試してみたら、想定していたペルソナとは全く違う層が関心を示した」
「機能Aは不要だったが、機能Bへのニーズが予想以上に強かった」

こうした数値とファクトに基づく学びこそが、次の予算を引き出す最強の武器になります。

検証の質を高め、承認をスムーズにする3つのアプローチ

① オープンソース(OSS)と最新技術の適材適所活用

ゼロからすべてを構築する時代は終わりました。既存の信頼できる技術を組み合わせることで、開発コストを抑えつつ「検証開始」までの時間を極限まで短縮します。

新規事業において、スピードこそが最大の説得力。「まだ検討中です」と言っている間に、競合やスタートアップに市場を奪われる——これが大企業の新規事業が失敗する典型的なパターンです。

重要なのは、「何を作らないか」を決めること。 MVP開発では、今すぐ必要な検証項目に集中し、将来の拡張性は設計に織り込むものの、実装は後回しにする。このメリハリが、プロジェクトを前進させます。

② 「企業の看板」に縛られない検証スキーム設計

ブランド毀損を恐れて動けない——これは、多くの大企業が抱える悩みです。

解決策は、検証フェーズでは自社ブランドを全面に出さないこと。外部パートナーとの共同事業として市場投入する、あるいは別ブランドで小規模にテストするなど、柔軟な検証スキームを設計します。

「まずは市場の反応を見て、手応えがあれば本格展開」というステップを踏むことで、リスクを最小化しながら前進できます。実際、このアプローチを採用した企業では、社内の心理的ハードルが大幅に下がり、検証開始までの期間が平均3ヶ月短縮されています。

③ 段階的開発によるリスク管理=「負けない戦い方」

「最初から100点」を目指して、巨額の予算を投じた結果、沈没するプロジェクトは後を絶ちません。

賢い進め方は、こうです:

  • フェーズ1(MVP開発・初期検証): 予算数百万〜規模で、主要機能と課題仮説を検証(ある程度予算に応じたご提案が可能です)
  • フェーズ2(改善・拡大検証): フェーズ1の結果を基に、次の予算を申請
  • フェーズ3(本格開発): 確信を持って、本格投資へ

この「段階的な投資判断」を技術面から設計することで、決裁者は小さくスタートして大きく育てる道筋を理解でき、承認のハードルが格段に下がります。

3. 実践事例:スピードと技術選定が「事業化」を決定づけた瞬間

技術がどのようにビジネスの成功を後押ししたか、具体的な事例を紹介します。

事例A:センシングデータ活用アプリ(大手上場企業との共同事業)

課題:
リアルタイムなデータ可視化が求められる中、「まずは小さく始めたいが、将来的には全国展開も視野に入れたい」という要望。しかし社内には、IoTやクラウド基盤の知見が不足しており、どう進めるべきか判断できない状態でした。

アプローチ:
企画段階から参画し、センサーデータのクラウド処理とWebアプリ表示を統合したMVPを構築。ポイントは、将来の拡張性を残しつつ、今必要な検証機能に絞り込んだことです。

不要な機能開発を避け、データの取得→処理→可視化という本質的な価値提供に集中。開発期間はわずか2.5ヶ月で、初期投資を抑えながらスピード感を実現しました。

成果:
MVP完成後、すぐに実際の施設への導入テストを実施。現場の担当者や利用者からのリアルな声が集まり、そのフィードバックを基に改善を重ねました。

決定的だったのは、実証データを持って経営層に報告できたこと。「仮説」ではなく「事実」を基にした提案が決裁者の心を動かし、本格的な事業化予算の承認を獲得。現在は複数拠点への展開が進行中です。

事例B:サーバーレス動体検知システム(工場/倉庫/施設管理におけるDX)

課題:
「AIやIoTを活用した業務効率化に取り組みたいが、失敗のリスクは避けたい。また、自社にはシステム開発の専任チームがなく、運用負荷も懸念」という状況でした。

アプローチ:
サーバーレス構成による動体検知MVPを提案。機器選定から踏み込み、AWSなどのフルマネージドサービスを組み合わせることで、「高い安定性」と「スピーディーな開発」を両立させました。

サーバーレスアーキテクチャの最大のメリットは、インフラ管理の手間がほぼゼロであること。小規模な検証でありながら、将来的なスケールにも対応できる構成を採用しました。

成果:
まずは1ラインでの小規模検証を実施し、3週間で現場からのフィードバックを取得。その結果を基に、UIの改善とアルゴリズムの調整を実施し、製品版へとブラッシュアップしました。

このプロセスがあったからこそ、多額の投資を無駄にすることなく、確信を持って本開発へと移行できました。現在は、他ラインへの横展開も進んでいます。

4. 「自社技術の呪縛」を解く、外部パートナーの客観的視点

社内会議ではどうしても「自社の強みをどう活かすか」という議論が先行しがちです。しかし、それがユーザーのニーズと乖離しては意味がありません。

よくある失敗パターンは、こうです:

  • 「うちには○○という技術があるから、それを使おう」→ 顧客は誰もその機能を求めていなかった
  • 「△△のシステムは社内資産だから流用しよう」→ 古い設計に引きずられ、柔軟な検証ができない

私たちは、アプリ・システム開発のプロフェッショナルとして、「その技術は本当に今必要なのか?」を客観的に判断します。時には、自社技術にこだわらず、市場で実績のある外部サービスやOSSを組み合わせる方が、検証スピードもコストも圧倒的に優位になるケースがあります。

大学の専門家ネットワークによる信頼性の担保

もう一つ、大企業の新規事業で重要なのが、「技術的な裏付け」による社内説得です。

「本当にこの技術で大丈夫なのか?」
「データの精度は保証できるのか?」
「セキュリティリスクは?」

こうした懸念に対し、弊社は名古屋工業大学や京都大学の専門家ネットワークと連携し、理論的な裏付けやデータの妥当性について専門的なバックアップを提供できます。

社内の技術部門や決裁者を納得させるためには、「開発会社がそう言っている」だけでは不十分。学術的な知見や客観的なエビデンスが加わることで、承認プロセスが格段にスムーズになります。

5. 失敗できないあなたのための「最初の一歩」

新規事業に「100%の正解」はありません。しかし、「リスクを最小化する進め方」は確実に存在します。

私たちは、単なる「受託開発会社」ではありません。

  • 企画の壁打ち相手として、アイデアをブラッシュアップ
  • 技術選定から、実現可能性の見極め
  • 社内承認を得るためのロジック構築と資料作成サポート
  • MVP開発、検証設計、そして本格開発への伴走

貴社のチームの一員として、事業を前進させることにコミットします。

MVP構成・壁打ちのご相談はARCHESまで

ARCHESは、国立大学発の技術系ベンチャーとして20年にわたり、多様な企業のデジタル活用とシステム開発を支援してきました。その経験を基盤に、現在はMVP開発を軸とした新規事業の検証・社内承認支援を行い、確実な事業化につながる伴走を続けています。

■ 無料相談サービス実施中

こんな状況ではありませんか?

  • まだアイデア段階で、何から手をつければいいか分からない
  • 社内で企画は通ったが、どう進めるべきか技術的な判断ができない
  • 自社の看板を出さずに、まずは市場の反応を見たい
  • 過去に新規事業で失敗した経験があり、今度こそ確実に成功させたい
   

そんな担当者様のために、30〜60分のオンライン無料相談を実施しています。
貴社のビジネス案を伺い、その場で「最小限で最大の効果を出すMVPの構成案」をディスカッションさせていただきます。営業トークではなく、本音で壁打ちできるパートナーとして、ぜひご活用ください。

新規事業は、孤独な戦いです。だからこそ、信頼できるパートナーが必要です。一緒に、確実な一歩を踏み出しましょう。